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GPS感度を維持するための入念な雑音対策
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IPX(防水規格)
皆さんは「ネットブック」という機器をご存じでしょうか。たぶん多くの方が知っているかと思います。小型で低価格,そしてインターネットへのアクセスを主目的としたノート・パソコンのことです。
ネットブックは今,年間数千万台という新たな市場を生み出しています。2007年に台湾メーカーが市場に投入して以来,世界における出荷台数は2007年こそ20万台でしたが,2009年に2200万台,2010年には3000万台近くになると予想されているほど急成長しています。3000万台という数字はノート・パソコン市場全体の20%弱に相当します。
しかし,現在のネットブックが,今後も成長を維持できるかは不透明です。やがて成長は止まり,Windowsを搭載した超低価格なノート・パソコンというニッチな存在になるかもしれません。実は,ネットブックが登場したことによる本当のインパクトは別のところにあります。スマートフォンとノート・パソコンの間にインターネット端末の巨大な市場があることを証明した点です。このメッセージはパソコン業界のみならず,携帯電話など他業界にも広く届きました。
そして今年の年末以降,この中間市場には2匹目,3匹目のどじょうを狙ったさまざまなプレーヤーがなだれ込みそうな勢いです。ネットブック市場が,いよいよ第2ステージに入るわけです。パソコン関連メーカーのほか,携帯電話関連メーカーなど異業種が入り込み,スマートフォンとノート・パソコンの中間市場で争奪戦が起きるでしょう。すでに動きも出始めています。その象徴例が,2009年7月に米Google社が発表した新しいパソコン向けOS「Chrome OS」です。では今後どのような機種が登場するのか,そして国内メーカーはどうすべきか――。日経エレクトロニクスの最新号7/27号の特集「ネットブック第2幕―新規参入者が狙う2匹目のどじょう―」でまとめました。
このほか最新号では,LSIの動的再構成技術に関する最新動向をまとめた解説「やわらかくなるLSI,広がり始めた動的再構成」,勃興しつつある3次元(3D)映像関連技術などについての解説「3D映像技術に標準化の波,映画からテレビ,写真まで」なども掲載しております。ぜひ,ご一読いただければ幸いです。
日経エレクトロニクス編集長 田野倉 保雄